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東証カーボン・クレジット市場——開設 2 年の取引データから見える姿

東証カーボン・クレジット市場——開設 2 年の取引データから見える姿

東京証券取引所のカーボン・クレジット市場は、2023 年 10 月 11 日に正式開設された。日本取引所グループ(JPX)公表資料によれば、2025 年 9 月 8 日時点で累計売買高は 1,003,386 t-CO2、1 日平均は約 2,153 t-CO2、約定成立率は安定して推移している。

## 取引の中心は J-クレジット

市場で取引されるのは主に「J-クレジット」(経産省・環境省・農水省が認証する国内クレジット)だ。exroad の市場調査(2025)では、クレジット購入実績または検討中の企業のうち、84% が J-クレジットを対象とする一方、JCM(二国間クレジット)は 36%、パリ協定 6 条 4 項クレジットは 13% にとどまる。

## 価格上昇とその背景

省エネに基づく J-クレジットの約定価格は、初めて 1 トン 5,400 円を超えた。

東証 カーボン・クレジット市場日報(2025 年 9 月)

JPX 公表の日報データによれば、J-クレジット(省エネ由来)の約定価格は 2025 年 9 月中旬に初めて 5,400 円/t 超を記録した。前年同時期との比較では、約 3 倍の上昇となる。価格上昇の背景には、GX-ETS 第 2 フェーズ(2026 年度〜)で排出量取引の事実上の義務化が近づくことがある。

## GX-ETS 第 2 フェーズの影響

経産省公表の GX-ETS 制度設計では、第 2 フェーズで参画企業の超過削減枠と適格カーボンクレジットの取引が本格化する。exroad の試算では、外部からの必要購入量は年間 287 万トンを下限とする。一方、現状の東証市場の年次取引規模(数十万 t)との差は大きく、制度運用開始時の流動性確保が論点となる。

## EU ETS との規模差

もっとも、EU ETS(欧州排出権取引市場)は年間 15 億トン超の規模を持ち、東証カーボン市場とは 3 桁の差がある。裏を返せば、日本市場の成長余地は制度設計と需要喚起に依存する部分が大きく、今後 3〜5 年で規模感が大きく変わる可能性がある。2026 年 3 月にはクレジット認証番号の番号体系変更と「移転用クレジット認証番号」の導入も実施され、決済インフラの改良も並行している。

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