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国産 mRNA 医薬品——第一三共のワクチン承認と BioNTech 提携の実態

国産 mRNA 医薬品——第一三共のワクチン承認と BioNTech 提携の実態

第一三共(東証プライム:4568)は、三共と第一製薬が 2005 年に合併して発足した製薬大手だ。2023 年、国産初の mRNA 新型コロナワクチン「ダイチロナ筋注」の薬事承認を取得し、mRNA 医薬品領域で国内の旗艦プレーヤーとなった。

## BioNTech 提携の構造

会社 IR 資料によれば、第一三共は mRNA 技術の獲得過程で BioNTech(ドイツ)とのライセンス提携を活用してきた。ファイザー/BioNTech の COVID-19 ワクチン(Comirnaty)が先行して薬事承認を受けたあと、第一三共は国内製造・開発体制を整え、厚生労働省および PMDA の審査プロセスを経て承認に至っている。

この構造は 2 点で示唆的だ。第一に、mRNA 技術は純粋な独自開発ではなく、外部ライセンスと自社製造・臨床の組合せで成立する。第二に、公的研究支援(NEDO 感染症支援事業など)が R&D を補完している。

## PMDA 審査の実際

PMDA 公表資料では、新型コロナワクチンの審査は迅速化の対象とされ、海外の承認データを参考資料として活用する運用が取られた。審査の基本は有効性と安全性の確認にあるとしつつ、国内治験データの一定規模の蓄積も並行して要求されており、完全な海外承認データ流用ではない。

## がん領域への応用

国内 mRNA 医薬品の次の主戦場はがん領域だ。第一三共の IR 資料では、がん免疫治療向けの mRNA パイプラインが継続開発中と公表されている。もっとも、この領域は Moderna と BioNTech が多数の第 3 相試験を並行しており、グローバル競争の厚みはきわめて大きい。裏を返せば、第一三共の mRNA ポジションは、感染症ワクチンでの実績を土台に、がん領域でどこまで独自臨床を積めるかに依存する。

## 他社とエコシステム

第一三共以外では、明治ホールディングス傘下の Meiji Seika ファルマが Arcturus Therapeutics(米)との提携で自己増殖型(saRNA)ワクチン「コスタイベ筋注用」の薬事承認を取得しており、mRNA と saRNA の技術分岐点でも国内プレーヤーが複数存在する。PMDA 公表資料では、新規モダリティ審査の標準化が進み、後続パイプラインの申請環境は整いつつある。

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